多 謝
この一年、護国神社秋の大祭、コロフェスタ街角コンサート・メインコンサート、播州合唱祭、交響詩ひめじコンクール、護国神社春の大祭と次々にステージがあり、皆様には毎度のことながら、とても忙しい思いをさせてしまいました。にもかかわりませず積極的に練習に参加してくださり、充実した活動になったこと改めて感謝申し上げます。そして今年も無事定期演奏会を終えることができました。たくさんの方々が来てくださいました。
ボクなりの感想です。
第一ステージではそれぞれの曲に合わせて、いろいろな表情で歌ってくださいました。言葉(歌詞)もはっきり伝わり、お客様の反応もよかったのではないでしょうか。
第二ステージ、児童合唱団のみなさんは前日に引き続きの本番ステージでしたが、わらべ歌を基調とし、浴衣姿で楽しいステージを作ってくださいました。「ほたるこい」はなかなかの難曲ですが、演出もあいまって素晴らしかったです。
第三ステージ「水のいのち」は誠にやり甲斐のある作品でした。ボクが(声楽や合唱を長年やってきて良かったな)と思える大きな理由のひとつに、すばらしい文学作品や詩に多く出会えたことがあります。便利さばかりがもてはやされる昨今ですが、AIには絶対考えられない「生きた言葉」の数々を知ることができました。今回の高野喜久雄の詩のように、考え抜いて言葉を紡いできた人類の財産です。そして高田三郎の音楽、どこを取り出しても、非の打ち所のない、限りなく美しい名作でした。初演から60年ということですが今後も色あせることなく歌い継がれていくことでしょう。陰アナの白井さんの機転よろしく、また、開演前に会場で直接お願いもしてくださり、とても落ち着いた客席を作っていただきました。(水たまりで、ちょっとありましたが・・。)もちろん演奏の細かい反省点をあげればいろいろありますが、我々の表現したいものがかなり示せたのではないでしょうか。(終わってしまうのがもったいない)と感じたステージでした。
第四ステージ、アンコールの合同演奏は、児童合唱団のみなさまから若さをもらって幸せな時間でした。我々の歌声とのコラボレーションも予想以上に素敵でした。お客様もなじみ深い曲で楽しんでいただけたのではないでしょうか。
ピアニストのお二人には本当にお世話になりました。ボクの無理なお願いにも答えていただき、それぞれの持ち味で合唱をリード、サポートしていただきました。本番が練習時にも増して、新鮮な演奏をしてくださいました。
演奏には完成も完璧もありません。楽譜や詩を読み込んで、(ああでもないこうでもない、もしかするとこうかも?)、と少しずつ試行錯誤を重ねていく一連の作業こそが、何物にも代えがたい貴重で幸福な時間であるとつくづく感じています。本番はもちろん、みなさんと音楽を共にする、練習時間がボクの活力になっています。ボク自身、(私事ですが)メサイヤ演奏会、マーラー「千人の交響曲」、山岸徹さんの歌曲演奏会と、とても充実した一年でした。そんな中、60代後半を迎え、体力や声の衰えをますます感じると同時に、歌う・演奏するということに対しての思いや考えが変化してきていると感じています。若いときには、「いかにうまく歌うか」とかなり力んでいたように思いますが、「何を伝えたいのか」を一番に考えるようになってきました。そして少しでも長く音楽活動を続けていきたいと改めて思っています。どんな世界でも、長く活躍できる人には特別な何かが備わっているようですから、ますます精進せねばなりません。
来年度は「水のいのち」に勝るとも劣らない大中恩の名作「島よ」全曲に挑戦します。「島よ、おまえは私ではないのか」という問いに対する答えを一年かけて見つけましょう。さらに西宮混声合唱団委嘱の山岸徹さんの作品「さくら」(全四曲)の第三曲「花がふってくると思う」「群青」「風の子守歌」「ふるさとの山に向かいて」などの名曲の数々も楽しみです。さらにゲスト合唱団(ただいま交渉中)との合同でドイツ語を含んだ大作「くちびるに歌を」を実現させたいと考えています。
最後になりましたが、いつもながら運営委員スタッフの皆様には本当にお世話になりました。目立たないところで、迅速に細やかにサポートしていただいているおかげで、今の我々の活動があります。わがままばかり申しますが今後ともなにとぞなにとぞよろしくお願いいたします。